不安症は性格?不安障害は病気?

ここぞというとき、不安な様子を微塵もみせず、堂々として いられる人は傍から見ると羨ましいですよね・・・

でも大なり小なり、慣れないことや運命の分かれ道・・みた いな行事の時には、だれでも不安になり緊張し、その不安症 状が身体に現れます。(ふるえや赤面・どもり・パニックなど)

結論からいうと、この不安な気持ちや身体に現れた症状は
・今回だけ
・そのうち慣れるはず
・こんなふうになる人もいるにちがいない
・自分はこんな風になったけど、人はそれほど気にしていない

と思えているうちは、ただの不安症状で自然なものです。

ここに、ある種の「怖れ」が加わると、不安障害へつながる 可能性がでてくるのです。
・こんな思いは二度と経験したくない。
     ⇒そのような場面をさける
・人はこんな私を見て笑うだろう・評価が下がるだろう
     ⇒自分のことより、人の動作や表情が気になる
・またこんな風になったらどうしよう?・・・
     ⇒不安を感じる自分に不安
・こんな私は能力が低いのでは・・・価値がないのでは・・・
     ⇒今までのような生活が送れなくなる
・人に相談して「気にしない方がいい」と言われた
     ⇒気にする自分はおかしい・・と自己評価が下がる

前者は不安を感じてもそのまま流すことができていますが、不安 障害に近い状態になると、不安感情にとらわれてしまって、身動き ができなくなってしまいます。

そもそも、不安は、生命の安全を確保するための自然な感情なのです。
不安を感じるから危険な場所を避ける・用心する・計画をたてる・ よりよいものを目指す・将来設計を立てる・・・というように、安全で 快適な生活を守るために必要とされる感情です。

ですから、不安症の範囲では、不安は必要なものだと認識し、誰でも そうだ・経験で慣れていくものだ・不安を感じさせる要因がなくなれ ば問題はないと不安と付き合うしかありません。

そして、後者の不安障害に近い段階になると、頭でわかっていても 「不安を感じる不安」「不安を感じる自分は情けない」「このままで は生きていけない」
という思考が止まらなくなってしまっていますので、これを他の思考に 書き換えて行く作業が必要になります。

先述したように、これらには深い「怖れ」の感情が潜んでいます。
自分の評価が下がること・人から認められないと自分の価値を感じ られないこと・完璧にできて当たり前だという価値観・・・

そういったものを見つめていき、不安があることと自分の価値は 結びつかないことを理解していく必要があります。

このあたりの自分の思い込みに気づくという作業は、自分自身では 難しいので、カウンセラーの力を借りることをおすすめします。

不安障害の治療は、不安を感じない自分を創ることではありません。
(不安は生きていくために必要な感情ですから・・・)
本当に恐れているものは何なのかを理解することです。
それを知ることで、表面上にでてくる不安症状は、その深い怖れを カバーするためのものだと理解するのです。
不安に乗っ取られてしまうのではなく、不安の正体を暴くように、 客観的に見つめていくのです。
恐れているものの正体がわかれば、不安の度合いは減少していきます。


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