がんはストレスからなってしまうものなのか?

がんを発症する前に、大きなストレスを感じていたという方は多いのは事実です。
一般論としても悩みやストレスを抱えることで、不眠・食欲不振・胃痛・消化不良・頭痛・皮膚疾患・脱毛・
自律神経失調症関連の不定愁訴・・・・など、さまざまな症状につながることは大なり小なり誰しもが経験あると思います。

その延長線上で「がん」という病気につながる可能性は否定できません。

ただ、このように言ってしまうと、自分にストレスを与えていたものは何か・・・?と考えてしまいます。
ノルマを押し付ける上司・口出ししてくる姑・反抗的な態度の嫁・浮気をする主人・・・・それぞれの立場からの言い分があるでしょう。

そうすると、「そうか・・・〇〇のせいで、自分はがんになってしまった」「○○さえ、ちゃんとしてくれていたら、
自分は病気にならずにすんだ」という考えになります。

これは大変危険な考え方で、何かのせいにすることは、その場しのぎの気休めや怒りのはけ口になるかもしれませんが、
がんと向き合い身体をよくしていくためには何のメリットもないからです。

がん発症には、いくつもの要因があり、これが原因というものを特定することはできません。

要因を分けてみると
Ⅰ・生活習慣・・・どのようなものを中心とした食生活か・
たばこやアルコールの摂取・働き方・休息の取り方・睡眠時間・運動の習慣・・・・など

Ⅱ・思考や信念・・・何を大事にするか・物事の感じ方・感情の出し方・没頭できる趣味や生きがい・問題解決能力

Ⅲ・家族・親戚・友人らとの人間関係・・・愛情や信頼を得られているか・相談相手がいるか・守りたい人や大切にしたい関係があるか・・など

Ⅳ・遺伝的要素・・・もともとの体質・家系

Ⅴ・セルフイメージ・・・病気や健康に対しての信念・問題に対処する際の自己効力感・人生や生に対しての思い込みや信念

Ⅵ・環境・・・働き方・がん発症に関わる物質の摂取(発がん性物質)・大気汚染・水質問題・薬・放射性物質などの影響

Ⅶ・生活上のストレス・・・ストレスの解消法があるか・苦難を乗り越えるためのリソースがどれほどあるか
(人脈・経済力・情報・経験・体力気力など)

ざっと考えただけでも、これだけの要因があり、それらが複雑に絡み合っているとすれば、原因を特定することは不可能です。
これらに対して、西洋医学の治療現場に、ひとりひとりに向き合って対応してもらうことは期待できません。

その結果、診断の際に、患者から「何が原因でしょう?」と問われれば、医師は「ストレスが原因ですねー」と答えるケースが多くなるのです。

たしかに、どのようなハチャメチャな生活を続けていても、健康そのものの人もいるし、
修行僧のような規律正しい生活をしていても病気になる人もいる・・・。

遺伝や食などの生活習慣では理屈の通らない何かがある・・とすればストレスや思考など内面的な影響が大きいと考えざるを得ません。

ところが、一言でストレスといっても、ここが一番難しいところです。
医師は「ストレスが大きな原因ですね・・・」「ストレスがかからないように気をつけてください」と言います。

しかし、「どうすればストレスを感じないようにできますか?」と質問したところで、答えてはくれないでしょう。

まず自分が何に対してストレスを感じるのかの問題があります。

ストレスを感じた場合、ネガティブな感情が沸き起こります。
いやだ・腹がたつ・困った・情けない・悲しい・不安・・・こういった感情を明らかに感じられる場合はまだよいのです。

中には、これまでの生育環境の中で、感情をだすのはよくないこと・
自分が我慢すれば(頑張れば)うまくいく・自分の意見や感情は価値がない・・のような思いがあれば、
ストレスさえ感じないといったケースもあるのです。

しかし、本来の感情に蓋をして、見て見ぬふりをしているだけなので、いつかは身体への反応として出てきます。

このように、がん治療に向き合っていく時には、上記に上げたいろいろな要因について見直していくとともに、
ストレスからも考えていくというスタンスが大事です。

そして、自分にストレスを与えている何か・・だけに着目するのではなく、
それを感じる(あるいは感じない)自分の内面にも向き合うことが必須になってきます。

その道を通ることで、治癒の確立は高くなるし、あるいは病気をしてこそ得られる自分自身の成長があると考えます。

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