ガン患者さんで、前向きに病気をとらえて、「ポジティブにいこう!」「明るく
生きていこう!」と頑張っていらっしゃる方が大勢います。
昔から「病は氣から」といわれ、実際科学的にも、気持ちの持ちようが免疫系に
作用することは証明されています。
でも、実際には「ポジティブ思考」「ポジティブ感情」「ネガティブ思考」
「ネガティブ感情」という思考と感情がごちゃまぜになっているのではないか
と感じます。
もちろん感情は、思考の内容によって揺れ動きますが、それよりももっと早くに
感覚器官を通しても感情がわいてきます。
感覚器官とは五感。聴く・見る・匂う・味わう・触る・・・・
例えば、知り合いと通りすがりに出会い、親しいつもりであいさつしようと
したのに、あからさまに目をそらされた・・・。
こんななにげない日常の一コマでも、その瞬間になんらかの感情がわいてきます。
漠然とした不安とか小さな怒りとか、心配とか・・・。
ですから、ガンと向き合っておられる方が、いろいろな情報と接する中で、湧いて
くる感情は本当に悲喜こもごもだと思うのです。
ここで、不安だとかつらいとか、やるせなさとか恐怖といういわゆるネガティブな
感情が浮かび上がってきたときに「いかん・いかん・ポジティブに考えないと」と
無理やり、その感情にふたをしてしまうのはどうでしょうか?
ネガティブな感情とは、自分が無意識にどんな思考をしているかをチェックできる大切な要素です。
不安に感じたときに、なぜそう思うのかを自分の心に問いかけていくと、自分の
思い込みの信念が浮かびあがるかもしれません。
こうなるに決まっているとか、みんなそうだからとか、あるいはどう選択したらいい
かわからないからとか。
そこではじめて、その考えを検証してみて、それは確かなことか?他の考えがあるの
では?こうも考えらえる。などポジティブな思考への書き換えができます。
自分の心で納得したポジティブな思考は、はじめてエネルギーをもって、働きだして
くれます。
感情にいいも悪いもありません。そう感じるから、感じるだけなのです。
ネガティブな感情も必要なもの・何かを教えてくれるためのものとして受け入れると
それに引っ張られず、ニュートラルな心の状態に戻ることができると思います。
いつもポジティブな感情でいることが必要なわけではなく、またネガティブな感情が
悪いわけでもなく、揺れ動いた感情から、ニュートラルに戻って、平穏な状態で
いられることが大切なのだと思います。
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