長期間、ステロイド剤を使用すると、身体的や精神的にさまざまな影響が出てきます。
身体的な面
(小児アレルギー学会からの報告)
・成長ホルモンが阻害される
・肝臓において細胞の成長にかかわるインスリン様成長因子(IGF-1)
が抑制
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このため、身長が伸びない・髪がうすくなる・骨密度が低くなる・コラーゲンが阻害され、肌が弱くなる・筋力が衰える・抵抗力の弱化
ほか、ステロイドが引き起こす疾患として
クッシング症候群・副腎皮質機能不全・糖新生が促進(糖尿病)
消化性かいよう
などがあげられます。
精神的な面
ステロイドは副腎皮質ホルモンの代わりとして使用されます。
このホルモンは抗ストレスホルモンと呼ばれ、ストレス下において自己を調整しようとするホルモンです。
ストレスをのりこえるために、交感神経が活発となり、アドレナリン系のホルモンがでます。
すると精神状態は
闘争心・恐怖心・あせり・悲観・嘆き・困る・不安・拒否・・・
これらは、生き抜くために本能として出てくる自然な精神状態です。
通常の生活では、これらのホルモンが出ても、ある限界でストップしますし、ある程度ストレスも緩和されていくので、この精神状態が続くことはあまりありません。
しかし、ステロイド剤長期間使用において怖いのは、この状態がずっと続くことにあります。
上記の状態が続いた場合、小児であれば人格形成にかなりの影響を及ぼします。
安定した情緒・他人への共感・寛大さ・集中力・積極性・意欲・肯定的・
ポジティブな気持ち・感情の解放・イキイキ感
こういったことへの影響力が大きな問題なのです。
つまり、抗ストレスホルモンは、心的なエネルギーが外に向かって放出されにくく、自己を守るために内部にこもってしまうのです。
ものごとに意欲的に取り組めない・・・・人との交流に心を開けない・・・
そんな性質が出来上がってしまえば、それを変革させていくことは並大抵のことではできません。
身体的な影響はこのほかにもいろいろな問題がありますが(この記事では主だったものだけ取り上げていますが)精神的な影響はさらに深刻だということです。
アレルギーは非常につらいものですので、ステロイドを全く否定してしまうのも善し悪しです。
要は、まずは体質改善の策を行いつつ、短期間で上手に取り入れたいものです。
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