原始の時代には、ストレスといえば、外敵と闘うことや、病原菌
から身を守らなければならないことでした。
現代の文明の時代になると、ストレスは精神的活動から生まれる
ものとなり、これまでのように身体を危険から守るための神経の
流れや内分泌系の働きは意味をなさないものになっています。
しかし、身体はストレスを感じると本能的に反応してしまうため、
それを意志の力で食い止めなければなりません。
神経には
・体性神経
・自律神経
と2種類あります。
自律神経は、私たちの意志とは関係なく働いているので、コントロ
ールすることは基本的には不可能です。
(呼吸法を介して、自律神経にアプローチすることは可能)
一方、体性神経は脳から運動器官へのコントロール(下行路)と感覚
器官から脳へのコントロール(上行路)があります。
自律神経はこの体性神経系がうけた刺激にも反応するため、私たちが
コントロールできる体性神経の活動を利用して、自律神経系にアプロ
ーチすることができます。
方法としては、
・脳から発生するストレスの電気信号を止めること
・感覚器官が受ける信号をリラックスさせること
になりますが、これを満たすのは
意思を頭(思考)から身体のパーツに移し、集中する
ということです。
これだけで、脳から自律神経系に流れる有害な電気信号を
ストップさせることができます。
ちなみに、ストレスを受けやすい人とあまり感じない人がいますよね。
性格の違い?心臓に毛がはえているような人は羨ましい?
これは意識する・しないにかかわらず、上記のような意思の使い方が
できているかどうかによります。
また、ストレスを感じ続けてきた人はさらなるストレスを受けやすい
・・・というのも事実です。
というのは神経の流れは電気信号により伝わりますが、神経細胞と神経
細胞(ニューロン)はシナプスという軸索でつながっています。
そのシナプスはながく続いた刺激(ストレス)により、性質が変化する
のです。
・軸の部分が枝分かれを起こし、より多くの神経細胞と接しやすくなる
・一度つながった神経どおしは、年月を経ても、少しの刺激で容易に
つながる
つまり、ストレス反応をうける回路が太く強化され、身体がその反応を
受けやすくなるのです。
ネガティブな思考が、なかなか切り替えできず、習性化するというのは、
そういう脳のサイクルがあるからなのです。
これらの積み重ねにより、自律神経のバランスが保てなくなり、自律神経
失調症の状態を引き起こしてしまいます。
さいごに、こころの状態を保つために・・・
「生きることを許された時間には限りがあることを常に感じ、全力で
仕事をすれば、有害なインパルスが脳からでていくことはない」
また、ドイツの医師フーフェラントの「長寿学」より
「我々の先祖は祈れ、そして働けという格言を生活の規範としてきたが、
これは永遠の真理である。こころに平和を持ち、外にむかって有益な働
きをすることが、あらゆる幸福・あらゆる健康・あらゆる長寿の唯一の
秘訣である」
ストレスが体のバランスを崩させる理由
- お悩み症例別, 症状別対策, 自律神経失調症(更年期障害)
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