抑うつ症状・身近に潜む要因

WHOの発表では、2030年には抑うつ患者がトップに なるだろうとのことです。
現在10人に1人が抗うつ薬を使用しているというデータも あります。
近年、なぜ、抑うつ患者が増えたのでしょう?

その背景には、さまざまな病気も絡んでいます。
がん患者の25%が抑うつを経験しています。
また、慢性リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫 疾患の患者さんも抑うつを経験する方が多いです。

たしかに、がんを発病すると、精神的なとまどいや不安がおこり 極度のストレス状態に追い込まれる時期があります。
そこからうつ症状が引き起こされる可能性もあるでしょう。

また、がんやほかの自己免疫疾患では、血液中に炎症反応が見られ ますが、その炎症性物資が分泌する’サイトカイン’なるものの 仕業である可能性もあります。

最近では、こういった疾患が増加していることから、その影響で 抑うつ患者も増加しているとも考えられます。

そういった疾患の影響を除いては、どんな原因が考えられるでしょうか?

近年の生活条件の変化がもたらした脳機能の変化があげられます。

・豊かでありすぎることからの「こころの満足欠乏」
あることが当たり前になるとそこに満足できず、もっと・・もっと と求めるようになります。
いつも、こころが何かを求めてさまよっていなければならず、安心感や 充足感を感じることが難しい環境です。
そのこころの状態は、身体にストレス反応を起こしてしまいます。

「自然欠乏」
現代の生活環境では積極的に自然を求めなければ、なかなか自然を 手にすることができません。
人間は自然界の一部である以上、目に見えるもの・見えないものも 含めて、自然からさまざまなものを受け取っています。
自然のエネルギーを得ることができなければ、身体のエネルギーも 補充することができません。

「静寂欠乏」
ネット社会となり、大量の情報や自然界には存在しない刺激が入り こんできます。
こんなに大量の情報を判断しなければならない時代は、ここ数十年の こと。私たちの脳も遺伝子もそれに対応するようにはできていません。
必死になって環境に適応しようとしている状態でしょう。
しかし、それにも限度があります。

・さまざまな欠乏・・・
運動習慣・睡眠時間・良質な食・親密な人間関係・生きがいや希望

こういった身体的(物質的)やメンタル面での欠乏は、脳の情報判断の 指針となり、神経伝達物質へ影響を与えます。
ドーパミンノルアドレナリンセロトニンといった物質が流れ難くなり 気分の高揚感・覚醒・安心感・多幸感などが欠落していきます。
その結果、抑うつ症状がひきおこされるのです。

解決策としては・・・・
・今あるもので十分と感じる、「足るを知る」気持ちを持つ
・ネット・ゲーム関係は時間を決める。それらを手放す日を作る
・自然と触れ合う時間をもつ
・できるだけ自然に近い食を取り入れる(加工食品やジャンクフードを  避ける)(有機農法や自然農法の食材を取り入れる)
・睡眠時間や運動習慣など生活習慣の見直し

生活面でいろいろ気を配らなければ、なにかしらの欠乏状態に陥り それが疾患の引き金になってしまうのが現代社会です。
健康について考え、良いと思われるものを取り入れる暮らしをこころがけ たいものです。
 

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