がんとマインドフルネス意識

マインドフルネスという言葉を雑誌や書籍で目にするようになりました。
グーグルやシリコンバレーの企業、またその中のCEOたちが、マインドフルネス を取り入れているとあって、注目を浴びていますが、。

企業の中にあって、集中力が高まる創造性が高まる精神が安定する作業 の切り替えがスムーズになるとあっては、こぞって取り入れたくもなるでしょう。

では、特定の病気とマインドフルネスの有効性はどう関連づけたらいいのでし ようか?

マインドフルネスは注釈や判断・批判などを加えず、出来事をありのまま見つめ 受け入れていくという心の状態です。
意識は広く保たれているけれど、目の前のことにも集中できている・・・ 注意力が散漫にもならず、とらわれてもいない・・・という状態です。

そんな状態が病気の治癒や快復にどのように働きかけるのか?

がんという疾病に関わらず、他の病気にしてもそれに至るには、様々な要因が あるでしょう。
中でも、ストレスというものは、病気になる直接のきっかけとして大きな原因 になります。

では、なぜストレスに感じるかというと、一言でいえば、自分が思うように、 考えるように、人や物事が動かず、それを当たり前のことと思わずに、なぜ? なんで?どうすれば?こんなはずではないのに・・・と受け入れることができ ないからですよね。

物事に対して自分の解釈・判断・理想・常識いろいろな物差しで見、それに対 してのギャップや抗うことでストレスが生まれるのです。

特にがんを発症する人の多くは、自分の純粋な気持ちや感情に対してでさえ、 「この考えはおかしい」「こうふるまったほうが場がうまくいく」「こう感じ るべきではない」などと感じやすい傾向にあります。

自分らしい感情や考えを当の本人でさえ認めてあげずに生きてきて、楽なわけが ありません。
思考や心の支配にある身体は窮屈で、緊張し、硬直していきます。

その上に食や生活のいろいろな問題が重なって、病気へのプロセスが始まります。

しかし、そんなふうに長年生きてきた人に、自分のありのままを感じてみて・・・ と言ったところでうまくいくわけがありません。
そこで、練習としてマインドフルネスが登場します。

目の前のものをただただ、あるがままに見つめ、感じ、それとともにある。
心が日常、いろいろなところをさまよっていても、自分が意識したときは、今の この場所に戻ってくることができる。

自分の意識の使い方が上手になったとき、自分のありのままの感情や体の状態を 認め受け入れることができるようになります。
その時は、無駄な緊張感や力の入れ具合がなくなるので、身体も本来の機能を発揮 しやすくなるのです。

また、治療中や経過観察中においてはどうしても、不安や心配などの感情が湧きが ちです。これらは、当たり前の感情ですので、強引に打ち消そうとか別の考え方で ポジティブになろうとするのは無理があります。

マインドフルネスでは、これらの感情も起こったら起こったでそのまま感じとりま す。
この感じ方はよいとか悪いとかはまったくありません。
ただ、自分の解釈や判断や思考によってその感情を長期化や複雑化させてしまうこ とが多分にあるので、そこには注意を払います。
解釈や判断が起こっても、それすらも受け入れ「私は・・・・だと考えているな~」 と気づくだけで、また感情や体の状態を感じることに戻る。この作業の継続です。

すると、乱れ波立っていた心が、徐々に静まってきます。

このようにいろいろなことをただありのままに見つめ受け入れることで、病気に対し ても抗ったり、敵視したりすることが軽減してきます。
この状態のときに、身体は自分自身をもっともよい方向に運ぶように働いてくれるの です。

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