不安をあおる体質①

自分が感情の渦中にいるときは、その感情が身体に 及ぼす影響を考えることはできません。
渦中にいない時でも、感情(こころ)と身体はコインの 裏表のような関係で、思うこと・考えることが身体に ダイレクトに作用を及ぼしているとは、なかなか考え< ないでしょう。

気が張っているときや多忙な時には、風邪1つひかない のに、それらが終わって一息ついたとたん、ガクっとき て寝込んでしまう・・・というのは誰しもがが経験して いることなんですが・・・。

風邪のような例はすぐ症状が出てわかりやすいので、多 くの人が理解していますが、
怒ることが多いと肝臓を痛める・・・
くよくよ悩んで、アレルギーが悪化する・・・
いつもせかせかして高血圧になる・・・

などは、目に見えてとか、一気に悪くなるとかがないため なかなか自覚できないようです。

では、不安を感じやすい状況はどうでしょうか?
前回の記事で、不安は、身の安全を守るための必要な感情だと 記述しました。
身の安全が保証されないとき、身体は警告を発して、「危ない かもしれないよ」と不安を感じさせます。
身体は緊急事態に備えて「闘争・逃走」態勢にはいります。
いつでも戦ったり、逃げたりできるように、心肺機能が高まり ます。
呼吸は浅く早く、脈拍はあがり、血圧もあがります。
筋肉は硬くなり、敵と戦うモードにはいります。

こういった身体の状態を「ストレス反応」と呼ぶのですが、通常 は、緊急事態や不安場面が回避されると、身体ももとの状態に戻り ます。

しかし、不安症の場合はどうなるでしょうか?
この緊急事態が去っても、次から次に不安場面がやってきて(想像上 のもの)その度にこのストレス反応が起こります。

本当に危険な場面では役にたつ不安感情も、安心・安全な現代の実生 活では役にたつことはあまりないのが実情です。

人前で話さないといけないとか、試験を受けるとか、ひとりで どこかに出かけるとか、試練ではありますが、身の安全が保証され てないわけではありません。

身体におこったストレス反応・・・簡単にいうと無駄に力がはいった 状態なわけですが、問題は、思考によってその状態がキープされてし まうことにあります。
常時、そんな身体であれば疲れてしまいますよね。・・・

そして、その疲れた状態がまた問題。
身体が疲れているので、脳(思考)は「このままでは、問題がおこる かもしれない」と判断。不安感情をあおり、何か対策ととったほうが いいのでは・・・?と警告してきます。

こうやって不安感情と身体の状態のきってもきれない関係ができあがり 不安症というパターンが出来上がっていくのです。

ではやっと本題です。
不安をあおる体質とは、「ストレス反応」が固定化された体質 です。
この体質がさらに不安を感じさせやすくします。

ということで、不安を過度に感じさせない体質とは・・・?
ストレス反応を起こしている身体をリセットするのです。

その方法は手技療法がおすすめです。
筋肉の硬直や氣の滞りがある場合、時間の経過とともに本人の自覚が あまりない場合が多いですので、最初は他人にケアしてもらうことを おすすめします。

一度ほぐれたら、今度はストレス反応が起こったときに、ご自分で ケアできる方法として「呼吸法や体操法」などがあります。その指導 を受けて、ご自分で身体をマネジメントしつつ、不安が大きくなら ないようコントロールしていくこともできるようになります。

つまり、手技療法・呼吸法・体操法をとおして身体を十分にほぐしま す。完全にリラックスできた身体は、「今は安全・快適で問題はない」 ことを脳に伝えます。
脳ではその状況から 不安を感じる必要性やストレス反応をおこさせる 必要のないことを判断します。
こうして身体から脳へのフィードバックをとおして、不安から遠ざかっ ていきます。

不安症において、その不安を考え方でどうにかしようとしたり、不安が おこりそうなことを避けたりする方法は、結局、不安を大きくし、悪循 環をまねくだけです。

身体に働きかける・・・?とらえにくい感覚かもしれませんが、必ず効 果をかんじていただけるものと思います。


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